「ALIS」という、仮想通貨を連動させた記事投稿サービスが「クローズドβ版公開前の事前投稿」を開始したので、仕組みやメリット・デメリットについて調べてみました。
ALISとは?
ALISについて簡単に説明しておくと、仮想通貨を連動させた記事投稿サイトのようなものです。
NEVERまとめとかウィキペディアってあるじゃないですか?
あれと似た感じで、登録ユーザーが自由に記事を投稿できる仕組みになっています。
NEVERまとめやウィキペディアと違うのは、ALISは
- 信頼性の高い記事
- 良質な記事
に対して「投げ銭」ができる点です。
良い記事、わかりやすい記事には感謝の気持ちとしてチップを渡すようなものですね。
はてなブログでも「ブックマーク」がありますが、良い記事を気軽に評価できるという意味でははてブにも似ています。
投げ銭は「ALISトークン」という仮想通貨で行われ、
- 記事を書いた人
- 最初にその記事を見つけた人
の2人はALISトークンの投げ銭を「もらう」ことができます。
2番目以降にその記事を見つけた人からは、投げ銭はできますが「もらう」ことはできません。
記事を読むだけなら、無料で読むことができます。
また、ALISトークンは換金することが可能です。
長くなるのでここまでをまとめておくと、
- 記事を作成したらALISに投稿する
- 投稿された記事を見た他のユーザーは、記事に対しで投げ銭で評価できる
- 評価された記事作成者に対してALISトークンが配布される
- 良質な記事を”最初に発見した人“にもALISトークンが配布される
- ALISトークンは換金できる
という仕組みです。
ALISについて超ざっくり説明してしまうと、
良い記事を書くとお金がもらえる仕組み
ともいえますね。
ALISのビジネスモデル
ここまでを読むと、ALISはどうやって運営していくんだ?と疑問に思うかもしれません。
検索エンジン大手のグーグルやヤフー!は、検索結果に広告を表示させることで広告主から収入を得ています。
この収入をもとに検索アルゴリズムを改良したり運営している人たちの人件費を補っているわけですが、ALISでは広告を表示させないので運営者の収入源が不明です。
投げ銭するときの手数料で儲けているのかもしれませんが、いちおうALISではこのように説明しています。
- ALISを利用者する人が増える
- 投げ銭に使うALISトークンの流通量と需要(欲しがる人)が高まる
- 需要が高まるのでALISトークンそのものの価値が上がり、値上がりしていく
- 値上がりしたALISトークンを少しずつ放出(販売)していくことで、運営経費をまかなう
というビジネスモデルらしいです。
ALISトークンの総発行量がどれくらいなのか不明ですが、今の価格が0.000043BTC(ビットコイン)なので、1ビットコイン=100万円と仮定すると、1ALIS=43円になります。
運営者は少しずつALISを販売していき、その売り上げでサービスを維持する狙いです。
ALIS-BTCの価格チャート↓
ALISのメリット
ALISが始まることでどんなメリットがあるかというと、まず、良質な記事を書かなければ誰からも評価されません。
そのため、嘘の情報を垂れ流す「フェイクニュース」やタイトルで読者を騙すような「釣り記事」が減ります。
フェイクニュースやタイトル詐欺が横行する理由は、
アクセス数が増えれば、それだけ広告収入が増えるから
です。
しかしALISでは広告を出すことができず、投げ銭でしかお金を確保することができません。
読者を騙すような卑怯な手でアクセス数を確保しても、投げ銭がもらえないのでお金にはならないわけです。
この仕組みにより、フェイクニュースや釣り記事が減ると期待されています。
信頼性の高い記事を書いてくれる人(信用のある人)だけが記事投稿でお金を得られるので、正直者がバカを見ないで済みます。
また、良い記事を「最初に発見した人」も評価されるので、記事の選球眼に実力がある人はどんどん周りからの評価が高まり、カス記事ばかり評価している人や自作自演で自分の書いた記事ばかりを評価しているような人は、周りからの信頼を失います。
「読者にとって良い情報」が評価されたり、良心的な人だけが評価される仕組みなのがメリットです。
ALISのデメリット
ALISのデメリットについても見ておきます。
僕もまだよくわかっていない部分もあるのですが、ALISでは登録済みのユーザーしか投稿記事を見ることができません。
これによりインターネット利用者の間で「情報格差」が進むと予想されます。
ALISで情報収集した人は正確な情報を入手できるけど、ALISを使っていない人は、フェイクニュースや釣り記事に惑わされることになります。
情報の正確性を自分で判断できない人にとっては「ALISの記事を読んでおけば安心」とも言えますが、特定サービスの利用者・非利用者間で情報の差(正確性の差)が生まれるのは、社会全体でみると不都合です。
同じ内容に関して、
- ALISで情報を入手した人
- ALIS以外から情報を入手した人
の間で、
「俺の情報が正しい、お前の情報は間違っている」
「いや、お前の言っていることこそ間違っている。フェイクだ!」
という対立が生まれます。
いまでさえ人種・宗教・性別・年収・居住地などなど…さまざまな対立があるのに、新たな争いや対立を生みかねません。
また、ALISは素晴らしい仕組みですが、日本では流行らないと僕は思います。
なぜなら、日本にはチップを渡す習慣がないし、良いものに対して投げ銭をする文化もないし、寄付をする文化もないからです。
広告収入ではなく利用者からの投げ銭(寄付)で運営されているという意味では、すでにウィキペディアがあります。
しかし、ウィキペディアは日本語ページだけ「このページが良いと思ったら寄付をお願いします」という目立つ注意書きがされるほど、寄付が少ない国です。
ウィキペディア「目立ちすぎる」寄付募集の理由 本家の財団の答え
ウィキペディアはALISと違って一部のユーザーによる”意図的な情報操作”が可能なので単純に比べることはできませんが、ALISは日本では普及しないんじゃないかな?と心配する次第です。
ALISについて(まとめ)
ALISのまとめです。
ALISは
- 投稿された記事に投げ銭する仕組み
- 評価された記事作成者と最初にその記事を発見した人にはALISトークンが配布される
- ALISトークンは換金できる
- フェイクニュース、低品質な記事が減る
- 日本では普及しない可能性がある
というサービスです。
ALISは、いまいちピンとこないサービスですし流行るかどうかもわからないのですが、ネット上のフェイクニュースや商業至上主義で書かれたステマ記事が減るのであれば大歓迎です。
広告が出ない仕組みでなおかつ正確な情報が集まるのであれば、いずれはGoogleを越える存在にもなるかもしれません。
今後の運営動向に注目したいです。
ALISトークンの買い方
ALISで投げ銭するためには「ALISトークン」が必要になるのですが、開発者が日本人にも関わらず、日本の仮想通貨取引所では直接買うことができません。
欲しい場合はZaif(ザイフ)などの日本の取引所でビットコインを購入。
その後、ビットコインを海外の取引所へ送ります。
そして
などの海外取引所から、ビットコイン経由で購入するしかないです。
ALISで投げ銭したい方や、将来的にALISが流行って値上がりすると期待する方は、この方法で購入してみてください。
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