かつてコンビニの店員といえば
- なんのスキルを持っていなくても誰にでもできる仕事
- キツイ、だけど低賃金
で知られ、社会の「最底辺の仕事」とされていました。
最近では海外から来日した外国人店員がカタコトの日本語で接客する場面に遭遇することも増え、ますます「誰にでもできる仕事」「スキルが無くてもできる仕事」「たいした能力もなく学歴もない人が仕方なくやる仕事」「日本の最底辺の仕事」と感じている方がいるかもしれません。実は僕もそう思っていました。
しかしコンビニの店員に対するそういった認識を改めなければならないと感じる話を知人から教えられたので、いまでは考えを改めました。
コンビニの仕事は多過ぎてハイスペック人材にしかこなせない
誰もが一度は利用したことがあるであろうコンビニですが、店員がやるべき仕事はたくさんあります。
- レジ打ち
- ドリンクや商品の補充
- 納品業者への対応
- トイレなど店内の清掃
- 各種お客様への対応
といったものです。
あらためてピックアップしてみるとあまり多くないように感じますが、基本的にはこれらの業務を”全部一人で”できるようにしておかなければなりません。
実際のところコンビニの仕事の中でも清掃や補充、納品業者への対応といった仕事は誰にでもできます。問題なのはレジ対応です。
スーパーマーケットのようにバーコードを読み取って合計金額を表示し、客からお金を受け取ってお釣りを渡す…という作業だけならたいして難しくありませんが、昨今のコンビニでは
- 宅急便の荷物受付、コンビニ受け取りへの対応
- 公共料金の支払い対応
- 肉まんやおでん、から揚げなどショーケース用の商品の調理・補充
といったこともしなければなりません。仕事多すぎ!これだけでも相当面倒くさいので、僕にはとても務まりそうもありません。
だけどこれはほんの序の口で、レジでは商品の精算をする際にペイペイやラインペイ、クレジットカード、スイカなどの各種支払い方法を知っておかなければなりませんし、タバコの銘柄や番号、棚に置いてある位置といったものまで覚えておく必要があります。
ここからさらにポイントカードへのポイント付与や期間限定のくじ引きなど、他にもやるべきことが山ほどあります。
これらの仕事は店にとって売り上げにつながる大事な仕事なのでまだ頑張れそうですが、ときには理不尽な要求をしてくる頭のおかしなクレーマーが来たり、店員のことをゴミを見るかのような目で見下してくる輩にも接客しなければならなかったりします。
こんなの、並大抵の人間には出来ない仕事です。ハイスペックな人材じゃないと対応できない。
普段はご飯を食べてアニメを観て寝るだけの生活をしている僕にとっては、いま、コンビニの仕事内容を書いているだけで気絶しそうなくらいです。
コンビニの外国人店員は実はエリート
コンビニの仕事は覚えることが多くて大変そうであり、僕からすればコンビニの店員さんはもはや英雄と呼んでも差し支えないレベルです。しかしそんな僕の想像をはるかに超越するコンビニ店員さんがいます。外国人の店員さんです。
母国語で喋る日本人でさえコンビニの仕事はキツイと感じるのに、言葉が通じない外国人の店員さんは一体どれだけの辛さなのか?外国で働いたことのない僕には想像もできません。
しかも一生懸命日本語を覚え、コミュニケーションを取ろうと試みているのに、日本人の客の中にはまともにコミュニケーションを取ろうとしない人だっています。レジに来てただ一言「12番」と言ってきた客の意図を読み取り、目当てのタバコを差し出したり丁寧な接客をしたりするなんて、常人にはとうてい真似できないことです。
そう、コンビニで働いている外国人の店員さんは実は普通の人ではなくエリートなのです。
彼らが自分の国に帰り日本のコンビニで働いていたことを話すと、尊敬されると聞きます。言葉が通じない国でコンビニの仕事をこなしてきたのですから当然です。
これから日本では外国人労働者の数が増えるそうですが、日本から海外へ出て働く人が称賛されることがあるのと同じように、彼らもまた母国では称賛されています。どこかで彼らを見かけたら、言葉の通じない国で働くことの大変さに思いを馳せ、温かく見守ってあげたいですね。
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