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茨城県庁の電子決裁化率がわずか4カ月でほぼ100%を達成!これまで電子化してこなかった理由に愕然

ペーパーレス 電子決裁


ネットニュースを見ていたら「茨城県庁の電子決裁の比率がほぼ100%に達した」というものを見つけました。

 

他の大手報道機関も同様のニュースを流しており、

  • 2018年4月時点で13.3%だった茨城県庁の電子決裁比率が約4カ月後の8月末時点で99.1%まで高まったこと
  • 電子決裁の促進は、2017年9月から知事になったIT企業出身の大井川和彦氏の指示によるもの
  • 電子決裁化によりさまざまなメリットがあること

が主な内容です。

 

各社とも好意的な内容で書いており僕も電子決裁化や業務の効率化には賛成なのですが、今回はあえて疑問を投げかけながら同ニュースについて書いてみたいと思います。

そもそも電子決裁とは?

茨城県庁の電子決裁化について語る前に、そもそも電子決裁とはなにか?について少しだけ説明しておきます。

 

一般的には「でんしけっさい」と聞くと、クレジットカードを使ったりSuicaなどの交通系ICカードでお金を支払ったりすることを思い浮かべます。でもこれは電子なのでちょっと違います。

今回は県庁でのことなので、文書を役職者に見せて彼らから印鑑を押してもらう、いわゆる「スタンプラリー」のことを差します。

 

一般企業でもよくあると思うのですが、報告書や企画書などの文書を作った際、主任や係長から始まり、課長→次長→部長→所長→担当係長・・・のように、順番に見せていき、彼らから「ちゃんと見ましたよ!」というお墨付きとして印鑑を押してもらいます。

 

電子化できる決裁文書にはピンからキリまでありますが、たとえば「平成30年 秋の大運動会競技種目、及びタイムスケジュールについて」みたいな内輪のものから、「公務災害の申請書」「県内の衛生検査が必要な飲食店の検査実施状況」などがあります。

茨城県庁ではこういった文書を紙ではなく電子的に作成し、役職者による決裁印についても電子化していったということです。 

電子決裁化によるメリット

茨城県によれば、電子決裁化により以下のメリットがあると発表しています。

1 文書の検索効率の向上
過去の文書ファイルの検索・再利用が容易になり,書庫の紙文書を捜索する必要がない。

2 行政文書の改ざん防止
文書保管後の書き換えができないため,文書改ざんを防止できる。

3 ペーパーレス化
紙を印刷したり,書類を整理する手間や,庁内で決裁書類を持ち回る負担から解放される。

4 省スペース化
紙の書類が減ることで,書棚などのスペースの削減,引越業務の簡素化ができる。

5 テレワークの促進
出張先など,いつでもどこでも決裁を行うことができる。

茨城県の報道発表資料から

 

昨今の電子化の流れやペーパーレス化、さらには公文書改ざん事件のことを考えると電子決裁化の流れは必然であり、メリットも大きそうです。

唯一気になるのが「5、テレワークの促進」。

テレワークとはインターネットを使うことで自宅から業務を行ったり、出張先からテレビ会議に参加したりすることです。

 

茨城県では2016年10月ころから職員のテレワークを支援しているようですが、現在どの程度まで広がっているのかは不明です。2016年はまだ前知事時代の話でもあり、テレワークもそれほど乗り気じゃなかったと思われます。

今の知事に変わってから状況が変化したと思いますが、まだテレワークの恩恵を受けている職員は少ないのではないでしょうか。

「出張先など、いつでもどこでも決裁を行うことができる!」と主張しているものの実態は不明です。

 

それにテレワークの欠点として、情報漏洩やセキュリティ上の不安が残ります。

県庁職員は個人情報を扱うことも多いと思われますので、テレワーク化は大歓迎ですけどセキュリティリスクをクリアできない限りは「宣伝用のリップサービス」と話半分に聞いておいた方がよさそうです。

 

とはいえ電子化の環境が整えば長期的にはテレワークしやすい環境になるのは確実なので、その点は良いことだと思っています。 

なぜ一気に電子決裁が進んだのか?

全体的にはメリットの多い電子決裁化ですが、茨城県では2017年9月に就任した大井川知事の号令があるまで、全然普及していませんでした。

トップの首がすげ変わった瞬間に、一気に変わったということです。

 

前知事の橋本氏は6期24年も茨木県知事をやっていましたが、電子化には興味がなかったみたいですね。

前知事が初当選した24年前っていうとまだ携帯電話が普及しておらず、同時多発テロや2000年問題よりも前の時代です。不動産バブルが崩壊したりソ連がロシアになったりした頃の話。

そんな昔からずーっとやってきたおじいちゃんがトップにいたら、そりゃあ電子化が進まないのもわかります。

 

一般企業だと一番上の人が不勉強だったり時代の流れについていけなかったりすると自動的に会社の業績が下がって倒産したりトップの首がすげ変わったりするので問題にならないのですが、公的機関や政治の場では時代遅れの人がいつまでも居座り続けることがあります。

そのツケは最終的には住民サービスの悪化として現れるので、なるべく公的機関や政治のトップには若い人や時代の変化に対応できる人が就いてくれると嬉しいですね。 

税金を無駄遣いしていた?

冒頭でご紹介した記事によると、茨城県庁では現知事が旗を振り始めるよりも前から電子決裁化の環境は整っていたそうです。

ではなぜこれまでは電子決裁化できていなかったかというと、「職員が仕事のやり方に口をはさまれるのを嫌がった」ことが原因とのこと。

たしかに仕事のやり方に口出しされるとムッとする人っていますから、茨城県庁にもそういう人はいるのでしょう。

 

しかし電子化の環境が整っているにもかかわらずその機能を使わず、業務の効率化をサボっていたとすればそれは単なる怠惰です。税金の無駄遣いになります。

茨城県庁に限った話ではないですしそもそも電子化が全然進んでない公務所は多いですが、電子決裁化など業務を効率化する環境がすでに整っているのであればどんどん活用してもらいたいものです。

仕事が効率化できれば職員一人ひとりの労力が減らせるはずだし、無駄な人員も減らせるので浮いた時間や予算を住民サービスの改善にも使えます。

 

今回の茨城県庁のニュースにより、他の自治体でも電子決裁化が加速したり興味を持つ住民が増えたりすると思います。

この機を逃さず電子決裁化、ペーパーレス化、テレワークの議論が進み、住民サービスの向上や税金の減額などに還元されるといいですね。