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どこまで消えた?「10年後に消える仕事」の消滅状況を調べてみた(2018年版)

10年後に消える仕事


2013年にオックスフォード大学(イギリス)のマイケル・A・オズボーン博士が、ある論文を発表しました。

原文:THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?

 

この論文は日本では「あと10年で消える仕事」として有名になりましたが、この論文の発表から数年が経過した現在、オズボーン博士の予測がどこまで当たっているのか?

現在発表されているニュースを元に調べてみました。

 

なお、元の論文は英語で読めないので、とりあえずこちらの記事に掲載されているものに限定して調べてみます。

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」

週刊現代から

 

調べる途中で「消えやすい仕事」「今後も消えにくい仕事」の特徴もわかりましたので、将来自分が就く仕事に悩んでいる方や、いまの自分の仕事が将来どうなるのか心配な方はご覧ください。

 

主な「消える職業」「なくなる仕事」

銀行の融資担当者

AI化によって非対面で審査、省力化しています。

 

スポーツの審判

まだ研究段階ですが、対戦相手のいない個人競技では実用化が見込めます。

 

不動産ブローカー

AIによるマンション売却価格算出システムが実用化しています。

「リナプス・シュミレーター」の概要(PDF)

 

レストランの案内係

案内係ではないですが、ハウステンボス「変なレストラン」が稼働中。

 

 

保険の審査担当者

人間の仕事の「補助」として現場に導入済み。

支払い審査なども一部企業ではAIに代行させています。


国も診療報酬の請求審査にAIを導入しています。

 

動物のブリーダー(ペットの繁殖や品種改良を専門に行う仕事)

保育器などで機械化が進んでいるようですが、完全に自動化しているニュースは見つかりませんでした。いまのことろ省力化が限度みたいです。

命を扱う仕事なので、完全自動化は難しそう。。。

 

電話オペレーター

Googleが「Duplex(デュープレッスク)」という自動応答システムを開発中。

 

↓GoogleのAIブログからの発表。


↓Duplexのデモ動画

 

給与・福利厚生担当者

現在はいくつかの「例外処理」をするために専門の担当者が給与計算などを担当していますが、自動化、AI化は可能だと思われます。

完全自動化の導入実績、導入例のニュースは見つからず。

 

レジ係

すでに無人レジが浸透しており、セルフレジが増えています。

また、Amazon GOのようにセンサーと個人認証による会計の自動化が実現しているほか、電子タグによる会計の省力化などが研究されています。


 

娯楽施設の案内係、チケットもぎり係

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは年間パスでの入場に顔認証システムを導入済み。東京ディズニーランドでも同様のシステムへ移行中です。

 

各アトラクションの利用ではチケットの確認が行われていると思いますが、入場は自動化が進んでいます。

 

カジノのディーラー

ロボットディーラーを使っている違法カジノが摘発された例がありますが、実際のカジノでロボットがディーラーの仕事を代替している例は見つかりませんでした。

 

ネイリスト

自動で付け爪(ネイル)のデザインを作ってくれる「オートネイル」という技術が誕生しています。

家庭用のネイルプリンターを使えば自宅でもキレイなデザインのネイルを付けることができ、しかもネイル1本あたり1分という短時間で作業が完了するようです。

 

クレジットカードの申込者の承認・調査を行う作業員

日本では三井住友カードが「DataRobot」という機械学習のシステムを与信管理業務に活用しています。

また、GMOグループでもクレジットカードの登録加盟店を審査する際、AIの技術を活用しているそうです。

 

集金人

新聞代やアパート家賃などの集金業務は、ほとんどが銀行の自動引き落としで済んでいます。

そもそも”現金”の使用量が減りつつあるので、いまだに仕事として集金業務をやっているのはヤクザくらいしかいないです。

 

パラリーガル(弁護士のアシスタント)、弁護士助手

膨大な判例の中から弁護に有利な資料を探し出したり、弁論な必要な資料を作成したりするのが弁護士の仕事の一部ですが、IT化、裁判資料の電子化が進めば弁護士の業務は激減します。

近い将来「これこれこういう状況のときの被告人がこのような行動をとり、その結果このような被害が発生した」というデータを入力すれば、瞬時に判例や法律と照らし合わせて判決が下せるようになるかもしれません。

そうなったら裁判官も必要なくなります。

 

ホテルの受付係

ハウステンボス系列の「変なホテル」では人間の受付係は姿を消しました。

外国語にも対応しており、人間よりも優秀です。



「わあ、おもしろい!」という感情や「ロボットよりも丁寧で親切」といった付加価値がない限り、受付のようなマックジョブ(誰でもできる仕事)は機械化されていきそうです。

電話販売員

電話の販売員というよりは、電話自体が消滅しそうです。

LINEのような携帯端末での音声通話装置はしばらくは健在かもしれませんが、黒電話やひと昔前の電話事業はすでに消えつつあります。

平成生まれの世代は電話のアイコンを見てもなんのマークなのかわからないみたいだし、電話は完全に過去の遺物となりました。

 

仕立て屋(手縫い)

 ZOZOスーツによる採寸と、SADAのオーダーシステムがやっているようなCAD(自動設計システム)、CAM(自動裁断システム)を使えばある程度までは服の生産は自動化できそうです。

 

しかし服の縫製には人間の体に合わせて立体的に縫う技術や「いせ込み」「追い込み」などの専門技術が必要なため、完全な自動化はまだ実現できていません。

 

時計修理工

機械式腕時計のような精密機器の状態を観察し、故障個所を適切に把握。

破損個所を修理するような時計修理工の仕事はまだ機械されてはいないようです。

 

ただし、いわゆる「匠の技」のような高度に専門的な技術や、「職人の勘」のようなものはAIに学習させることができるので、将来的には機械での再現が可能になるかもしれません。

 

税務申告書代行者(税理士、会計士など)

マイナンバー制度と電子政府(eガバメント)が完全に機能するようになれば、税金の申告や計算をするような仕事は必要無くなります。お金の入出金データが全て電子データで管理できるようになるので、税理士や会計士がわざわざ税金の計算をする必要がなくなるからです。

すでにエストニアという国では税理士・会計士の仕事がほとんど消滅したと言われています。

 

日本では電子政府化もマイナンバー制度も全然実用化できていませんが、会計ソフトが安価で手に入るので小規模な企業や個人事業主クラスであれば、税理士や会計士がいなくてもそれほど不便ではありません。

 

図書館員の補助員

「図書館司書」のことだと思うのですが、本の貸出し・返却といった一部の業務では機械での代用が進んでおり、実際に機械化されている図書館もあります。

 

しかし蔵書の点検や新規書籍の選抜・購入、利用者への案内といった部分では機械化が進んでいません。

高度な専門知識を必要とする場面もあるので、まだ機械には代用できないのでしょう。

(参考:司書がいなくなったある図書館の話

 

そもそも紙媒体の「本」が消えてすべての書籍データが電子的に貸し借りできるようになった場合は、蔵書点検や新規書籍の選抜がなくなるので図書館司書がいなくなるかもしれませんね。

 

【無料で読み放題】電子図書館のしくみと問題点・メリットをどこよりも詳しく解説 

 

データ入力作業員

株式会社日立ソリューションズの「活文 Report Manager」を使えば、紙に書かれたアンケート用紙の結果などを自動で読み取って電子データにまとめられるそうです。

アナログデータ⇒電子データへの変換が自動化できるので、入力作業時の入力ミスが減らせるし時間も短縮できます。

 

彫刻師

彫刻師とは、粘土や木、石や金属などで立体的な造形物を作る人のこと。

3Dプリンターの普及が進めば、オリジナルで独創的な作品を作れる一部の彫刻師以外は絶滅しそうです。

 

とはいえ、大量生産・大量消費に飽きられた世界では「世界に1つしかない1点物の作品を欲しがる人」は確実に増えるので、富裕層を対象にした”世界に1つだけの作品”が作れる方はAIや機械化時代でも生き残るでしょう。

 

苦情の処理・調査担当者

クレーマーの電話対応であれば、GoogleのAIボットでも対応できそう。

苦情の内容がどのような内容かというデータの収集までは自動化できると思うけど、苦情内容の調査をするのはまだ人間が必要になりそうです。

 

AI化・自動化はオンライン化された仕事やデータ化できる仕事とは相性がいいですが、オフラインでの仕事、アナログな仕事とは相性が悪いです。

苦情内容がオンラインで解決できないことだったりオンラインでは調査できない内容だった場合には、人間の調査担当者や苦情処理担当者が必要になるでしょう。

 

簿記、会計、監査の事務員

会計や監査の事務員さんによると「会計や事務処理の仕事は人間が判断する”裁量的な部分”があるから、完全にAI化・自動化することはできない。」そうです。

しかしその”裁量的な部分”もたくさんのデータを学習させれば、AIに任せることが可能です。つまり簿記、会計、監査の事務員の仕事はAI化することが可能。

 

全ての事務員が消滅することはできなくても、「10人いる事務員を1人に減らすこと」は可能なので、よほど有能で特殊なスキルを持っている人以外は、事務員の仕事がなくなると予想されます。

 

検査、分類、見本採取、測定を行う作業員

画像認識技術の向上により、すでに工業製品の外観検査や医療機関の画像診断ではロボット化、AIによる診断補助が進んでいます。

ひよこのオス・メスを選別する仕事もテクノロジーによって自動化が可能になっていますし、水揚げされた魚の魚種選別も機械に代行させることができます。

 

検査や分類、見本の採取や測定といったデータ収集、分別作業は自動化が進行しています。

 

映写技師

映画館で映画を上映する機材を扱うのが映写技師です。

国家資格だったらしいですが、上映機材のデジタル化に伴い「誰でもできる仕事」になり下がり、また、映画館自体が減っていることもあって文字通り”消える仕事”になっています。

 

カメラ、撮影機器の修理工

製造工程の機械化や検査作業の機械化は進んでいますが、故障箇所の特定から修理までを自動で行える機械はまだないようです。

大型機械の部品交換など一部の修理工程でロボットが使われることはあっても、カメラのような精密機械の修理を完全に自動化するのはまだ先のことになりそうです。

 

金融機関のクレジットアナリスト

クレジットアナリストとは、企業の財務状況を調べて信用分析を行う仕事です。

金融機関はクレジットアナリストの分析情報を元に、その会社に融資すべきかするべきでないかを判断したり、投資するべきかするべきでないかを判断したりします。

 

クレジットカードの信用調査同様、大量のデータを学習させることでAIに代行させることができる仕事です。

 

野村アセットマネジメントなど一部の金融機関では、毎日大量に届く企業の決算レポートの重要度をAIに振り分けさせ、業務に活用しています

いまはまだ人間の仕事の”補助”に徹していますが、将来的にはAIに全てを任せることが可能でしょう。

 

眼鏡、コンタクトレンズの技術者

眼鏡の製造においては、検眼システムやフレームのデザインで自動化が進んでいます。

フレームの研磨工程だけは熟練工による手作業が必要でしたが、この工程も機械化が進んでいるので、将来的には検眼、フレームデザイン、フレーム研磨までが完全に機械化・自動化されることになりそうです。

 

殺虫剤の混合、散布の技術者

まだ実例がありませんが、殺虫剤の新製品の研究・開発ではなく単なる混合であれば、過去の混合時のデータや対象となる虫のデータをAIに学習させることで、最適な混合比率や薬剤の種類をAIが自動で算出、混合するのは可能でしょう。

 

また、農作物に対する殺虫剤の散布の場合、植物の生育状況に応じて殺虫剤の濃度や散布タイミングを計算する必要があるのですが、これも生育状況の画像データと最適なタイミング・濃度を学習させることにより、将来的には人間がやらずに済みそうです。

 

義歯制作技術者 

入れ歯やインプラントの製造、マウスピースや矯正具の製造、詰め物(銀歯など)を作ったりしているのが義歯制作技術者です。

 

従来は製造工程のほとんどが人の手によって行われていましたが、近年ではCAD/CAMによる3Dでの義歯設計ができたり、歯科医師、歯科技工士が作った歯形の模型から3Dデータを測定して最適な義歯をデザインできるようになっています。

また、3Dデータを機械に入力し、自動でセラミックや硬質プラスチックの塊を削るなど、成形工程も自動化の流れが押し寄せています。

 

義歯制作技術者が不要になる段階まで進んではいませんが、仕事が楽になっていくので、「10人いた義歯制作技術者が1人に減る」くらいのことは起こりそうです。

 

参考レポート

将来の歯科技工のあり方~歯科技工士の現場から~

 

測量技術者、地図作製技術者

現在でも災害用資料の作成目的など、広範囲な測量には人工衛星が用いられています。 

これ加え、ドローンを用いた測量が実用化されており、専門の技術者は必要無くなると考えられます。

造園、用地管理の作業員

造園とは、公園や庭を作ったり、庭の植木の管理をしたりする仕事です。

自動草刈り機などの機械は作られていますが、すべてを機械に任せたり植木の手入れを任せるところまでは至っていません。

造園では舗装工事なども行いますが、庭園は道路とは違って直線的な部分が少なく、機械化するとしても難易度は高いと思われます。

 

用地管理とは、ビルや家を建てたりする際、土地の境界を管理したり不動産登記をしたり、隣接者や行政との協議をしたりする仕事です。

不動産登記や各種権利証明証の管理は事務的な仕事なので支援システムに代行させることができますが隣接者と協議したりするのは人間にしかできないでしょう。

 

建設機器のオペレーター

完全に自動運転化できているのは、決められた経路で土砂を運搬するダンプカーなど一部の建設機械に限られます。

ショベルカーなど複雑な操作を必要とする建設機械では、片手操縦が可能になるなど「人間の労力を減らす」程度にとどまります。

 

それでも、無人化に向けた取り組みが進んでいるのが現状です。

 

訪問販売員、路上新聞売り、露店商人

インターネットの普及により訪問販売や露天商をしても「販売効率が悪い」というイメージがありますが、今後もしばらくは訪問販売や露天商は無くならないでしょう。

理由としては、

  • インターネットを利用しない人がまだたくさんいる
  • 「ネットでは買えないもの」というプレミアを付けることができる(ただし、質の高い商品に限る)

からです。

 

新聞のように「そもそも販売数が減少しているもの」「需要がない商品」を売る人が減るのは当然の流れなので、路上新聞売りについてはすでに絶滅寸前。

 

塗装工、壁紙張り職人

 塗装工についてですが、家の外壁塗装をする塗装工については、現状ではまだ機械化、自動化できていません。

ビルなどの大型建築物の外壁塗装については自動化の研究がされているようですが、実証には至っていないようです。

 

自動車のボディや工業製品に色を塗る塗装工については、無人化・機械化が進んでいます。



壁紙(クロス)張り職人については、まったく無人化が進んでいないようです。

 

100年後でも消えない仕事とは?

Tandem Job Caceres

ということで、「10年後に消える仕事」がどこまで消えているか?進捗状況を調べてみました。個人的には、あまりにも消えてなさすぎてガッカリしました。

 

ですが調べてみてわかったのが、頭を使う知的労働ほどAI化したり機械に任せたりするのが簡単で、体を使う肉体労働ほど無人化するのが難しいということでした。

文字どおり「手に職を付けた人」ほど、AI化・機械化の波が来ても仕事が消える心配が少ないです。

 

もしも長期的に同じ仕事を続けたいのであれば、

 

・デジタル化できないこと

・身体的な技術を必要とするもの

 

を仕事にするのが良さそうです。

おそらくそういった特徴をもつ仕事は、10年後どころか100年後でも消えていないと思います。

仕事をするときの参考にしてみてください。