2018年7月16・17日にかけて、京都祇園祭(前祭)を観覧してきました。
好天に恵まれて暑さが厳しかったですが、大きな屋台を間近で見ることができて大満足でした。
これから祇園祭を見に行く方のために、歴史や見どころ、注意点などについてお伝えしたいと思います。
- 京都祇園祭の歴史
- 祇園祭(前祭)の山鉾は23基
- いつ行くべきか?10時すぎがベストな時間
- 山鉾巡行の見どころ
- 有料観覧席はおすすめできない。注意点について
- 山鉾巡行を観覧するのに必要なアイテム(熱中症対策)
- おわりに
京都祇園祭の歴史
京都祇園祭は秩父夜祭(埼玉県)、高山祭(春・秋の年2回、岐阜県)と並ぶ日本三大曳山祭の1つで、山鉾(やまぼこ)と呼ばれる23基の車輪付きの屋台が市内を練り歩く祭事です。
もともとは平安時代に厄除けのために始まったお祭りなんですが、戦乱のために京都が荒れてしまったため一度中断されてしまいました。ところが室町時代に当時お金と影響力を持っていた町衆と呼ばれる町人(商人)たちの呼びかけによって再開され、いまのような祭になったとされています。
祇園祭では毎年7月に開催され、約1カ月間かけて様々な祭が行われます。
一般的には7月中頃~下旬にかけて行われる「前祭」「後祭」における山鉾巡行(やまぼこじゅんぎょう)がハイライトで、今回僕は前祭の山鉾巡行を見てきました。
祇園祭(前祭)の山鉾は23基
祇園祭(前祭)では、23基の山鉾(やまぼこ)が市内を巡行します。
※赤が前祭、青が後祭の巡行ルート。緑は辻回し(方向転換)のポイント
場所は四条通と烏丸通の交差点(四条烏丸)からそれぞれ出発し、四条通を八坂神社方面に進行。その後、河原町通で左折して京都市役所方面に進んで市役所前で左折。
御池通を進んでいきます。
…と説明してもよくわからないと思いますが、京都市役所の目の前にある大きな道路沿いで待っていれば、すべての山鉾を見ることができます。
大きなトラブルがなければ2時間ほどかけて全部の山鉾が通過していきますが、途中でトラブルがあったり炎天下のために水分補給しながら進む時は3時間くらいかかるようです。
僕が見てきた2018年は日中の最高気温が38度にもなる猛暑日だったため、途中休憩を挟みながら進んだので3時間くらいかかっていました。
前祭での山鉾の巡行順序は以下のとおりです。
- 長刀鉾
- 蟷螂山
- 霞天神山
- 油天神山
- 函谷鉾
- 孟宗山
- 綾傘鉾
- 白楽天山
- 鶏鉾
- 太子山
- 伯牙山
- 芦刈山
- 月鉾
- 山伏山
- 四条傘鉾
- 占出山
- 菊水鉾
- 保昌山
- 郭巨山
- 木賊山
- 放下鉾
- 岩戸山
- 船鉾
「山」と「鉾」がありますが、山は小さめの山車、鉾は高さ数十メートルにもなる棒状の鉾が付いた山車です。
こちらは前日に撮影した月鉾(つきほこ)の全体写真ですが、かなり大きいことがわかります。先端はビルの5~6階くらいの高さまでありますね。
鉾の先端には、各鉾ごとに違うデザインになっています。
後祭では巡行路と山鉾の種類が変わって、御池通と烏丸通の交差点(烏丸御池)から出発して京都市役所方面に進行。市役所を通り過ぎたところで右折して河原町通に入り、途中で右折して四条通に入ります。
前祭とは逆の順路になるわけですね。
後祭の山鉾は以下の10基になってます。
- 橋弁慶山
- 北観音山
- 黒主山
- 鯉山
- 鈴鹿山
- 南観音山
- 役行者山
- 浄沙山
- 八幡山
- 大船鉾
いつ行くべきか?10時すぎがベストな時間
祇園祭の山鉾巡行ですが、パンプレットを見ると前祭は出発が9時になっています。
9時から各山鉾が出発しますが、あらかじめ決められたコースを順番に回っていくので、10時すぎに現地に到着すれば動き回らずに1ヶ所にとどまって各山鉾が通るのを見ることができます。
当日が晴天で暑い日だと途中で休みながら進むので、もっと遅い時間に行っても十分間に合います。
後祭は9時半から各山鉾が出発しますが、京都市役所前を先頭が通過するのは10時くらいになるそうなので、10時~11時の間に着けば大丈夫です。
早く着きすぎた場合は道路沿いの木陰で休んでおきましょう。
遅く到着した場合は巡行コースを先回りすることができるし、巡業は予定よりも遅くなることはあっても早まることはないと思いますので、焦らずに見に行けば大丈夫です。
山鉾巡行の見どころ
前祭しか見ていませんが山鉾巡行の見どころは、大きな鉾が曲がり角で方向転換する場面と、大勢の人に引っ張られてゆっくりと動いていく様子を見られるところです。
特に、高さ25メートル、重さ10トンにもなる大きな鉾が動いている様子は圧巻です。
鉾の先っぽにそれぞれ特徴的な鉾頭が付いているので、それらを眺めるだけでも見る甲斐があります。
鉾は高さがあるので圧倒されますが、山にも見どころがあります。それぞれ違った人形が載っているので、人形を見るのが楽しいんです。
山や鉾は、山車を押したり綱で引っ張ったりしている方たちがいるのですが、彼らの着ている衣装や側面に垂れ下がっている垂れ幕の模様、先頭から2番目を歩いている方が持っている錫杖の種類と音色…それぞれが微妙に違います。
このこだわり方が普通じゃないので、これだけでも見る者を楽しませてくれます。
有料観覧席はおすすめできない。注意点について
祇園祭の山鉾巡行では、
- 一般席:3180円
- プレミアム席:最高1万円
の有料観覧席があります。
今回僕はツアーでの参加だったので一般席を確保してあったのですが、お世辞にも良い環境とはいえず、個人で観光するのであればおすすめできません。
有料観覧席は道路沿いに座席が用意されているので、歩道から見るよりも近くで山鉾巡行を見ることができます。また、各座席ごとに番号が割り振られているので確実に座って観覧できることもメリットです。
パンフレット(冊子)もあるので各山鉾の由来を知ることもでき、知的好奇心も満たしてくれます。
しかしその一方、
- パイプ椅子なので座り心地が良くない
- 観覧席のスペースが狭いので、身動きが取れない
- 真夏の炎天下の中、日陰もない中で観覧することになる
という、地獄の環境下に晒されることになります。
入場チケットを持っていれば出入りは自由なのですが、梅雨明けのこの時期に炎天下にさらされるのは僕としては我慢できず、ほとんど席にはいられませんでした。
小さなお子さんや高齢の方は熱中症になったりして命取りになる危険性もあるので、
- 曇り空で天気が良くない場合
- 「どうしても間近で山鉾を見てみたい」という場合
- 確実に座って観覧したい場合
以外は有料観覧席は使わない方が良いです。
有料観覧席ほど山鉾を間近で見ることはできませんが、歩道からでも巡行を見ることはできます。
山鉾は連続で来るわけではなく間を空けながら通るので、歩道にいた方が途中でコンビニに寄ったりトイレに行ったりすることもできます。
有料観覧席(一般席)は劣悪な環境なので、個人的にはおすすめできません。
それに、有料観覧席って立ち上がっての写真撮影が禁止なんですよね。
後ろの席の人の迷惑になるから当然と言えば当然なのですが、撮影目的で有料観覧席を確保したい方にとっては、目的を叶えることはできないでしょう。もちろん三脚を立てての撮影もできません。
あくまでも近くからのんびりと鑑賞したいかた向けの席になります。
後ろの席の人の視界を遮ってしまうという意味では日傘も禁止なので、もしも有料観覧席から見たい場合は、つばの広い帽子を被ったり水分を多めに準備するなどして暑さ対策をしてください。
山鉾巡行を観覧するのに必要なアイテム(熱中症対策)
時間帯や見る場所にもよりますが、持っていくと良いアイテムを書いておきます。
基本的には熱中症にならないための暑さ対策が必要なので、真夏のバーベキューとか草野球の観戦に必要なものを持って行くと良いです。
必須アイテム
まずは「帽子」。なるべくつばが広くて首筋まで日光を遮れるものがいいです。
次に「水分」。ミネラルウォーターやお茶よりも、スポーツドリンクのように塩分や糖分が適度に混ざっているタイプのものがベスト!
汗と共に体外に排出されてしまう塩分の補給という意味では、飴もあるといいです。
日差しが強い場合は「日焼け止め」も必須です。
山鉾が巡行する道路はアスファルト舗装されているため、道路からの照り返しの光も強烈。しっかりと紫外線対策しておきましょう。スプレータイプなら塗った後に手を洗う手間も省けます。
さらに「うちわ・扇子」があると、風を感じることができるので無風状態よりは涼しくなれます。安いですし現地調達することもできますが、各自で用意しておくのが確実です。
あとは「汗拭き用のタオル」。
木陰であればあまり汗をかかずにすみますが、歩いたり直射日光の当たる場所で観覧する場合は汗が噴き出してきますので、タオルを用意しておきましょう。速乾タイプがおすすめです。
持っていくとさらに快適になるアイテム
他にも「首筋に巻く冷却用のバンダナ」や「サングラス」があれば完璧ですが、これはなくても大丈夫です。
京都は地形的に盆地なので、夏は暑さがこもります。想像を絶する暑さになるので、暑さ対策を入念にしていきましょう。
ペットボトルなどで水分を持参する際は、前日に冷凍庫に入れておくなどして凍らせたものを1本は持っておくといいです。
おわりに
祇園祭は名前だけは聞いたことのあるお祭りでしたが、実際に自分の目で見たのは初めてでした。伝統あるお祭りを生で体験することができ、荘厳な山鉾を間近で見ることができたのも良かったです。
暑さが厳しかったですが、そんな暑さをものともしない地元の方々の熱意と活気を見ることができ、元気を分けてもらうことができました。今回は近くで見ることしかできませんでしたが、「中の人」になれたらもっと楽しいでしょうね。
今回は前祭しか見れませんでしたが、今度は後祭も見に行きたいです。
祇園祭は海外から見に来ている方もたくさんいたし、山鉾巡行に参列している海外の方もたくさん見かけました。日本はこれから人口が減っていきますが、海外の観光客を相手に伝統文化を発信していけば、1つの産業として成り立つと思います。
このブログが日本だけでなく海外の方たちの参考になったら光栄です。
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