ぼんやりとツイッターを眺めていたら以下のようなツイートが流れてきました。嘘か真かは置いておいて、ツイートした方は高校2年生らしい。
これ自分の学校のアンケートなんだが内容がマジでどうかしてる。Q2が酷すぎで言葉が出ない。先生に言ったら「嫌なら義務教育じゃないんで辞めていいですよ」って言われた。#拡散希望 pic.twitter.com/TIdvTG6kcH
— アサナン尊師@フォロバ99% (@asanansonsi) 2019年4月14日
状況としては「学校側が生徒のSNSアカウントを申告するように言ってきた。しかも申告されていないアカウントを使用していることがバレた場合は停学もありえるそうだ。こんなの酷い!」というものです。
教師たちは”酷い”のか?学校の対応としては常識の範囲内
生徒のSNSの使い方にまで学校が口出ししてくるのは非常にウザイですし、一見すると酷いようにも感じます。ですが学校側の対応としてはごく普通なんですよね。
昨今のバカッター騒動などを見る限り、SNSが原因で自校の生徒がニュースに取り上げられ、その生徒のせいで学校側が対応に追われる危険性がゼロとは言い切れません。学校側にそういったSNSでの炎上に対応するプロがいて、なおかつそういった教育とは関係ない部分に対応する料金を授業料に上乗せして生徒たち(正確には保護者)から徴収しているのであれば別ですが、ほとんどの学校ではそんなことはしていません。
つまり学校側の立場で考えると、
- 生徒がSNSで問題を起しても学校側はその生徒を退学させるなど”切り捨てる”のが鉄則
- しかし現実としてはそんなことはできず、学業とは関係ない問題にも関わらず「問題の生徒が通っていた」という理由だけで学校側がマスコミや保護者達からの電話・取材対応に追われることになる
- 対応に要する費用や人手は授業料に上乗せしていない
という状況です。
そのため学校側の対応としては、
- SNSで問題を起さないように生徒に釘を刺しておく(申告されていないアカウントを使用していることがバレた場合は停学もありえる、と事前に伝えておく)
- 問題が発生した場合に備え、予めSNS炎上対策のエキスパートと契約を結んでおき、契約料を授業料に反映させる
といったことができます。
私立高校なら授業料を自由に設定できるため②番を選ぶのが現実的ですが、公立高校など授業料を簡単に変えられない学校では①番を選ばざるを得ません。問題が起きたときのための「言い訳づくり」ですね。
高校教師をしております。
この調査の意義は実は「学校の言い訳づくり」だと思います。
もし生徒がインターネット上でトラブルを起こしたとして、アカウントを申告していなければ「正しく申告しなかった生徒の責任だ。学校側はちゃんと問題対策をしていた」と逃げることができるようになりますから。
— テミーは学歴社会で生きてゆく (@hukunyan66) 2019年4月15日
本当なら学校側も「ネットの問題は自己責任!」って言いたいんですよ。
でも、そういうことを言うと、ものすごい勢いで怒る人が世間にはいるんです…「学校がきちんと指導しなさい!」って。
生徒はもちろん、実は先生方も被害者なのかも知れないと。少しでもそう思っていただけたら…
— テミーは学歴社会で生きてゆく (@hukunyan66) 2019年4月15日
また冒頭のツイートでは教師に抗議したところ「嫌なら義務教育じゃないんで辞めていいですよ」と言われたそうですが、これも当たり前と言えば当たり前の反応になります。
小学校・中学校と9年間もどっぷりと義務教育の環境に浸ってきた高校生には納得いかないかもしれませんが、高校は義務教育ではありません。したがって生徒がその学校を選んで入学したのと同じように、学校側にも生徒を選ぶ自由があります。
問題を起こす生徒やその可能性の高い生徒は早期に排除し、他の生徒にまで問題が波及しないように対応する必要もあります。
正直なところ僕個人の意見としては「SNSを使うのは個人の勝手だろ」と思うのですが、学校は家庭教師ではなく集団に対して学問を教える場です。そのため他の生徒への影響を考えて”危険な芽を摘む”というのは、ある程度容認されるのではないでしょうか。
こんなことを書くと「だから学校はクソなんだ」とか「学校は奴隷育成機関」とか言い出す人がいると思うし僕もその通りだと思っているのですが、だったら学校なんて行かなければいいだけです。図書館に行けば学問のことはいくらでも学ぶことができますし、高卒の資格は学校に通わなくても取得することができます。文句があるなら学校に行かなければいい。これが現実です。
生徒側が打てる対抗策とは?
今回取り上げたツイートについて、生徒側が取れる対抗策としては「学校名を晒す」というものです。
「〇〇高校では生徒にSNSアカウントを申告させ、申告漏れがあると停学させられることがあります。こんな学校はヒドイです。絶対に受検しないようにしましょう。」と声をあげるのが妥当でした。
そうすれば来年からは生徒が集まりにくくなるため学校側は困ります。生徒数を維持するために、SNSについては生徒の自己責任の元で自由に使えるようになったかもしれません。何かを変えるためには声を上げる必要があります。
今回ご紹介したツイートは1万3,000回以上リツイートされており、「生徒の炎上を未然に防ぐための策で学校側が炎上しているのが皮肉」という意見もあるようです。
しかし学校名が伏せられていることから真偽を確かめることができず、炎上を目的とした『釣りツイート』の可能性も排除できません。これではもしもこのツイートの内容が本当だったとしても、学校側には何のダメージも与えられません。自己満足で終わるだけです。
ツイート主の怒りや悲しみは理解できますし「SNSが自由に使えないならこんな学校に入らなかった」かもしれないことを考えると味方したくなりますが、自分の意見を学校側に伝えたいと思うのであれば、学校名を記したうえでツイートした方が良かったのではないのかな?そうしないと何の解決にもならないな…と感じました。
たぶんツイート主としては「解決したいんじゃないの!私の気持ちを知ってほしいの!共感してほしいだけなの!」ってことなんでしょう。そしてそれが理解できず解決策を淡々と書いてしまうあたりに、僕に彼女ができない理由が隠されているようにも感じました(´・ω・`)
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