2018年4月から放映されていたアニメ『シュタインズゲート・ゼロ』が最終回を迎えたのでその感想です。
シュタインズゲート・ゼロとは
シュタインズゲート・ゼロは、同名のゲームが原作となるアニメ『シュタインズゲート』の続編作品です。
前作・シュタインズゲートの23話で牧瀬紅莉栖 の救出に失敗した岡部倫太郎のことを、椎名まゆり(まゆしぃ)がビンタしなかった世界線として描かれています。
前作の続きというかIFルート(もしも〇〇だったなら~の物語)になるため、前作を見たことがない方はまずは前作(シュタインズゲート)から見ないと話を理解できないのが難点です。
前作:シュタインズゲート
原作ゲーム
牧瀬紅莉栖死亡後の世界線
牧瀬紅莉栖の救出失敗後の世界線のため、牧瀬紅莉栖は死んだものとしてストーリーは進んでいきます。
紅莉栖の救出失敗によりすっかり自信を喪失してしまった岡部倫太郎は、それまで名乗っていた中二病設定の天才科学者「鳳凰院凶真(ほうおういん きょうま)」を名乗ることをやめ、ごく普通の大学生生活を送ることに。
白衣を着るのをやめ、選ばし者の知的飲料(ドクターペッパー)を飲むのをやめ、機関との戦い(をしているという脳内設定)をやめ、未来ガジェットの発明もやめてしまいます。
これらすべてを捨てて黒歴史として封印し、合コンに参加したり真面目に勉強したりしている岡部倫太郎の姿は哀れであるとともに、前作を見た者なら
「誰だお前?」
「こんなのオカリン(岡部倫太郎)じゃない!」
と感じてしまうほどでした。
そんな岡部は大学のゼミの教授に誘われて脳科学研究のフォーラム(発表会)に参加します。
そこで目にしたのは、死んだ牧瀬紅莉栖の記憶を移植した人工知能「アマデウス」でした。
牧瀬紅莉栖と同じ声、同じ思考回路で話しをする様子はまさに牧瀬紅莉栖の生き写し!
生きていた頃と違うのは、彼女が電子的なモニターの中にしか存在しないということです。
僕はアニメや映画でよくあるような「死んだはずの人間と話をする」という演出があまり好きではありません。「いや、お前死んだだろ!」とツッコミを入れたくなってしまうからです。
でもアマデウスのような人工知能が話しているのであれば違和感なく見届けることができました。
アマデウスを巡る陰謀
アマデウスのデータ入力元となった牧瀬紅莉栖は生前、タイムマシーンに応用できる分野の基礎研究を行っていました。
これに目を付けたロシアとアメリカが、タイムマシーンを開発するために牧瀬紅莉栖の記憶データであるアマデウスを巡って密かな戦いをはじめるのが序盤です。
話の筋は通っていて、納得できる展開で進んでいきます。
中盤はダルと阿万音由季 (あまねゆき)の恋愛の話などが入って脱線しますが、これもすべて未来に深刻なタイムパラドックスを起させないための布石ですので、リア充乙!と思いながら我慢して見ましょう。
何度やっても まゆりを救えない
後半は椎名まゆりが過去へ戻り、ビンタしなかった世界線からビンタした世界線(前作・シュタインズゲートの世界線)にするため、堕落した岡部倫太郎を再びマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真に戻そうと椎名まゆりがタイムマシーンで過去へ跳ぼうとして失敗、生死不明になる話から始まります。
前作・シュタインズゲートでも椎名まゆりを救うために何度も世界線漂流し、さらにはまゆりを救うために牧瀬紅莉栖を犠牲にしてきた岡部にとって、まゆりは何が何でも救わなければならない存在です。
そのため岡部はまゆりを救うために電話レンジを使ってタイムリープしますが、それでもまゆりを救うことはできません。それでも何回も挑戦し続ける岡部。
もう何回、何十回挑戦したかわからないくらいタイムリープを繰り返したころ、いままでうまく起動していた電話レンジが起動せずまさかの失敗!
目覚めると25年後の世界でした。
何度も何度も何度も何っ度も失敗してボコボコにされていく岡部の姿を見るのは切なかったです。
「何度失敗しても1%の可能性が残っているのなら、科学者として挑戦し続けるのは当然。」
こういう人もいますが、言うは易し、行うは難しです。
思い通りにならず、何度やっても邪魔が入り失敗してしまうと、正直心が折れます。
それでも挑戦をやめないオカリンは凄げえなあ~と思いながら見ました。
25年後の荒廃した世界から
まさかのタイムリープ失敗により、2011年時点の記憶を持ったまま2036年に目覚めた岡部を待っていたのは、タイムマシーン争奪戦により戦争状態になった街と、むかしと変わらず傍にい続けてくれた未来ガジェット研究所のメンバーたちでした。
長い間昏睡状態だったにも関わらず待ち続けてくれるなんて、仲間意識強すぎて羨ましい!僕もこんな仲間が欲しかったぞ。
第20話からは、25年後の世界から再びタイムリープマシンを使って2011年まで戻り、まゆり過去へと送り出すための物語になります。
中弛みしていた物語が急に動き出し、ここから尻上がりに面白くなっていきます。
シュタゲはいつも後半から面白くなるので、時間がない方は最初と最後の数話だけ見るのも良いかもしれません。結局途中も見たくなっちゃうんですが…。
鳳凰院凶真の復活
約3,000回のタイムリープを繰り返して2011年まで戻ってきた岡部倫太郎。
第21話ではこれまで封印してきた鳳凰院凶真が復活し、中二病全開で椎名まゆりを救う”オペレーション”を開始します。
聖なる白銀の鎧(白衣)を身にまとい、謎のポーズをとり、もったいぶった喋り方をし、ネラー用語を口にし、恥ずかしい喋り方を恥ずかしげもなく話す姿はまさに狂気のマッドサイエンティストです。
シュタゲファン的には
キタ――(゚∀゚)――!!
となります。
が、ラボメンの協力を仰いでオペレーションに挑んでも、それでもまた邪魔が入りまゆりを救うことができません。
この絶望感。
アマデウス紅莉栖との別れ
22話では何度も失敗してきた経験から、タイムマシーン開発競争を止めて無事に椎名まゆりを過去へ送り届けるためには、牧瀬紅莉栖の記憶データであるアマデウスを消去するしかないという結論に達します。
生前の牧瀬紅莉栖を見殺しにしてきただけでなく記憶データであるアマデウスまで消去するということは、岡部にとっては牧瀬紅莉栖を2度殺すことになってしまいます。
この回では、悩む岡部の葛藤と苦悩が伝わってきましたね。
消去前のアマデウス紅莉栖といつかまた別の世界線で出会うことを約束し、今度は牧瀬紅莉栖が死亡した後でなおかつ牧瀬紅莉栖の記憶データであるアマデウスさえ存在しない世界線へとタイムリープ。
23話では今度こそ椎名まゆりを安全に過去へと送り届けることに成功します。
ここから先は前作・シュタインズゲート23話へとつながります。
前作を見ていないと何のことかよくわからない演出になっているので、ぜひシュタインズゲートを全部見てから本作・シュタインズゲート・ゼロを見るようにしてください。
岡部の中二病封印や新キャラクターの登場など、ドキドキハラハラする展開がいろいろありましたが、最後はハッピーエンドの世界線に辿り着くことができて良かったです。
前作・シュタインズゲートも23・24話がクライマックスでしたが、本作シュタインズゲート・ゼロも終盤にかけて面白くなっていきます。
いまは懐かしい古きよきネット文化の遺産の1つ「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」の用語が出てきたりもしますので、アニメ好きな方だけでなくオタク文化やネット文化に興味がある方にもぜひ見てもらいたい作品です。
シュタインズゲートは各動画サイトを使うと一気に見ることができます。
どの動画サイトを使っても初回30日間は無料でお試し利用できますので、まだ利用したことがない方、一気見したい方は申し込んでみてください。他のアニメ作品も見れますし、映画やライブ映像なども視聴できます。
シュタゲが気に入った方は、シュタインズゲートと同じ世界の”続き”のアニメ作品「ロボティクス・ノーツ」も楽しめるかと思います。
ロボティクス・ノーツでは”お掃除軍曹”こと「天王寺 綯(ミスターブラウンの娘)」の大人バージョンが登場。こちらもネット用語全開なのでオタク向けです。
コメント