以前から何度もこのブログでとりあげているトルコの話題です。
トルコは政治的に不安定でハイリスクな国であることやトルコリラでFXをしていることは別の記事でも紹介しました。
そのトルコが、今度は緊急利上げをしています。
トルコ中央銀行は23日、臨時で金融政策委員会を開き、複数ある政策金利のうち事実上の上限金利とする「後期流動性貸出金利」を3.0%引き上げ年16.5%にすることを決めたと発表した。通貨リラが大幅に下落したため、通貨防衛のために利上げが必要と判断したとみられる。
トルコ中銀が緊急利上げ 政策金利の上限16.5%に 通貨安に対応(日本経済新聞)
利上げによりトルコリラは少しだけ上昇
利上げをすると、お金を預けている際にもらえる金利も増えることになります。
つまり、トルコにお金を預ければ預けるほど、自分のお金が増えるわけですね。
トルコはたくさんの外国人からお金を預けてもらうことで資金を調達し、トルコという”国”の運営をしてきました。
ところが最近アメリカが利上げをした影響で、「トルコにお金を預けるよりもアメリカにお金を預けた方が安心だし儲かる!」という人が増え、トルコの通貨「リラ」が売られ、代わりにアメリカのドルが買われるようになっています。
トルコ国内からどんどんお金が抜けていくと、国家の運営ができなくなります。
それに危機感を持ったため今回トルコ政府は緊急利上げを発表し、「トルコにお金を預けるとあなたのお金が増えますよ!トルコリラを買うと得をしますよ!」とアピールしたわけですね。
緊急利上げした甲斐があり、下がり続けていたトルコリラの価格が少しだけ上昇しています。
5月23日17時に「22.144円」の最安値を付けたあと、24日5時に「24.205円」まで上昇しています。
利上げするとスワップポイントという「毎日もらえる金利(もしくは支払う金利)」があるのですが、トルコリラ円のスワップポイントも上昇していました。
トルコリラ-円の項目を見ると、312円のスワップポイントがもらえることがわかります。
今日は木曜日なので普段の3倍分(3日分)のスワップポイントが表示されているので、1日あたりに換算すると「312÷3=104円」です。
以前は1日当たり80円だったので、かなり増えましたね。
スワップポイントが増えても含み損は減らない
スワップポイントが増えるのは嬉しいのですが、トルコリラ-円の為替変動による含み損は全然消えません。
2週間前にブログで取り上げたときは5000円くらいの含み損だったんですが、その後、含み損は8000円、1万5000円…と増え続け、いまでは2万4000円近くまで膨れ上がっています。
トルコ政府の対応次第では今後さらに含み損が広がって、最終的には強制ロスカット(損切り)になる可能性もあります。
トルコ情勢は目が離せない状態が続きますが、今回のことで
- 新興国通貨の投資リスク
- アメリカの金融政策との関係性
など、いろいろなことが学べました。
できればトルコには頑張ってほしいものですが僕にはどうすることもできないので、もしもこのままトルコという国が無くなったりトルコリラが無価値になったりしたら、せめて今回の教訓を今後の海外投資に役立てたいです。
【追記】
エルドアン大統領が再選した影響で、ますますトルコリラのレートが下がっています。
緊急利上げでスワップポイントは高いままですが、今後は下がっていくかもしれません。
【さらに追記】
レートが16.1円まで下がったところで強制ロスカットされました。
短い期間でしたがFXで学んだこと、失敗した原因をまとめましたので、FXで失敗したくない方はご覧ください。
コメント